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8月23日(土)「ヒントは過去の人生に」網走市寿大学講演の反響から補足

  • 執筆者の写真: masahiko fukuda
    masahiko fukuda
  • 8月23日
  • 読了時間: 3分

更新日:8月31日

7月23日に、網走市寿大学の60周年記念式典で、「人生100年時代」~変わる社会、変わらぬ人間性 と題し講演しました。さまざまな感想の一例として、「今後、どう生きたらいいか、考えるヒントは過去の人生にある」という提言に関心が持たれたようです。過去の人生はなぜヒントになるのか。講演で語った部分を補足説明も加え紹介します。


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残された人生の目的、なすべきことをどう見つけるのか。そのヒントの一つが、子どものころ、若いころ興味を持ったこと、したかったことことにあると思います。あるいは、現役で仕事をしていたころ、忙しくて出来なかったことを思い出すのもいいでしょう。特に子どものころしたかったことは、打算がなく、その人が本当に好きだったこと、やりたかったことです。


 一例を挙げます。ここ網走市の有名な「モヨロ貝塚」。千年以上も前の独特のオホーツク文化の貝塚を発見したのは、米村喜男衛(きおえ)さん(1892~1981年)です。青森県生まれで、小学校生の時に偶然、尖った石を発見。小学校の先生に、「大昔に石を割って刃物に使った頃のものかも知れない」と教わったことが石器、土器収集のきっかけになったそうです。そして理髪店の徒弟

奉公を経て、上京し理髪店に勤め考古学を本格的に独学するようになり、東大人類学教室の鳥居龍蔵博士に師事します。大正初期に網走に行きモヨロ貝塚を発見、貝塚の発掘と解明に生涯を捧げます。


米村さんの生涯を振り返ると、幼少のころから植物が好きだった植物学者の牧野富太郎氏とよく似ています。小さい頃に興味を持ったことがその後の人生を決定づける例は少なくありません。一方、関心を抱いても、その後の生活、仕事などに追われ、いつしか忘れることも多い。そこで、悔いのない後半生を送るために、まず自分に過去を振り返ってみてはどうでしょうか。具体的には歴史年表を

横に置き、履歴書を多少詳しくする程度に自分の略歴を整理するのも一つの方法です。


このほか、①懐しい音楽を聴く、②思い出の地を訪れる、③旧友に会う、④昔食べたものをもう一度味わってみる~ことなども効果的なようです。こうした行動を通じて、昔自分が好きだったこと、やり残したことに気付くきっかけにしてはどうでしょう。


最近は「バケットリスト」という言葉を聞くようになりました。残りの人生で実行したいことを書き出してみるノートのようなものです。メモ書きでもいいので、人生を振り返って、やり残したころ、ぜひしておきたことを簡単にまとめてはどうでしょう。例えば、行きたい場所、会いたい人、趣味、レジャー、楽しみ…。その上で、作ったリストの項目を3年、1年、半年などに区切ってスケジュール化してみる。なんだか、夏休みの計画を作るようにワクワクしそうですね。

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