2025年7月23日(火) 網走市寿大学創立60周年記念式典で講演
- masahiko fukuda
- 8月2日
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網走寿大学は、全国の高齢者大学の先駆け的な存在です。1965年(昭和40年)に開校しました。日本が高齢化社会(高齢化率7%超)に入ったのは、その5年後の1970年(昭和45年)ですから、その取り組みがいかに早いかが分かります。初代学長は、当時の網走女子高校校長の千葉七郎氏。大学旗の「網走寿大学」の文字は岸信介元首相の揮ごうだそうです。昭和40年代には、くじで決まった学生が新郎新婦となる「一日結婚式」が行われ、テレビ「桂小金治アフタヌーンショー」で全国放送されたエピソードが残っています。

現在の学生は、60代~90代の192人です。寿大学の事業とは別に、網走市では、小中学校の各種行事などの支援をするボランティア活動が行われ、寿大学の学生たちも参加しているそうです。
講演当日は、全国的な猛暑で網走も最高気温が33・8度。ただ、会場のオホーツク・文化交流センターは、広い館内にエアコンが効いており快適でした。講演は「人生100年時代」~変わる社会、変わらぬ人間性 と題し、戦後80年の節目も念頭に置き、高齢者の生き方を語りました。

講演の要旨 新旧の事柄を学ぶ大切さ
今年は戦後80年。この間、日本人の寿命は驚異的に伸び、寿命革命、長寿革命とも言われ、「人生100年時代」を迎えています。長生きは喜ばしいことですが、少子高齢化、情報化、地球温暖化、国際化など時代の変化、価値観の変化にさらされる試練も避けて通れません。ただ、こうした激変は今に始まったことでありません。明治維新、終戦で価値観の激変は日本人が経験してきたことなのです。
とはいえ、長生きすればするほど、価値観の変化を経験する可能性は高くなります。その意味で、高齢者が新しいことを学んでいく生涯学習は極めて重要です。そして、どう生きればいいのか。そのヒントは過去の人々の生き方にあります。人間性は時代がたっても、そう変わらないと思います。古今東西の人間がしてきたことは、政治、経済、社会などさまざまな仕組みや、人としての生き方、人間性の尊重など守るべき価値観を次の世代に引き継ぐことでした。私たちは新しい事柄と、過去の人間の生き方という、新旧の事柄を学んでいく必要があると思います。
そのほか 講演のポイント
・高齢者は75歳から~日本老年学会などの提言
・中高年はフェイクニュースに弱い?
・福沢諭吉の言葉「一身にして二生を経るが如く…」
・「老い」のイメージ、世代間対立
・網走でモヨロ貝塚を発見した米村喜男衛(きおえ)さん
・高齢者、高齢社会に期待されるもの、貢献寿命の提言
・フレイルとは、そのイメージ
・脳梗塞に倒れてからの長嶋茂雄さんに学ぶ
・米百俵の話、山桜の苗を植える話
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